リングサイドブルー
『Y.Narisawa:ちゃっきー、北口の改札で待ってるね。ミッションコンプリート! くるくる×3ゲット。買ったやつが最後だったよ』

『Chucky:あざす。こっちも親が駅まで心暖つれてきてくれたので、うまく急行乗れました。あと3駅』
 狙い通りだ。千晃は返信をしてスマートフォンをしまう。

「パパ、どうしたの?」
 心暖がジャケットの裾を引く。こちらをじっと見つめていた。

「ん? なんでもないよ」
「だって、いまパパわらってたよ」

 千晃は思わず口元に手を当てるが、そういう心暖の方こそ、見ているこちらの疲れが飛びそうなほど、朗らかな笑みを浮かべている。

「心暖、今日はいいことあるかもしれないよ」
「いいことってなあに」

「さあ、なんだろう」
 新しくできた友人は、心暖に会ったらどんな反応をするのだろうか。テンションの上がった優月の姿が、簡単に思い浮かんでしまう。
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