このままずっと離れないで
「そんなのありえ「のんちゃあああああん!」」
私の必死の抵抗を見事にぶち壊したのは
この会話の主役である
「…りょーくん。」
「きいてよーーー。」
この感じ、甘えん坊のりょーくんだ。
「はいはい。
どーしたの?」
胸の高鳴りを誤魔化すように
りょーくんの言葉に耳を傾ける。
「課題忘れただけなのに
もう1枚やって提出しろって言われたーー!
やってあるのにさぁ〜。」
ぷーっと頬をふくらませるりょーくんは
そんなことを言いつつ
私の首元を見て嬉しそうな顔をした。
「あー!!
そーだ!!
僕さのんちゃんに渡したいものあったんだ!」
それだけ言うと
さっきの愚痴の返事を聞くこともせず
風の速さでクラスへと戻っていく。