箱入り娘に、SPを。
式場で準備していてくれたのだろう、しっかりとしたミニブーケを入れる紙袋、引き出物、余興でもらった景品。
たくさんの手荷物は、幸せのおすそ分けみたいだ。
その手荷物を、ひょいと私の隣を歩く小太郎さんが持ってくれた。
そして、気づかれる。
「あ、美羽さんブーケ当たったの?」
「はい。ラッキーだと思いませんか?」
わざわざ迎えに来てくれるあたり、私も幸せなのだが。
「似合ってるね、オレンジのワンピース」
彼にそう言われて、思い出す。
千夏の結婚式に着ていくワンピースを、彼に選んでもらったということを。
「小太郎さんは褒め殺しタイプですか?」
気恥ずかしくなって尋ねるも、彼は意外にも首を横に振った。
「僕はお世辞は嫌いだから言わないよ。思ったことを言うタイプ」
「…そうですか」
人はそれを、甘やかしと呼びます。
しかしながら、彼は真剣な表情で白くて小さなブーケを見下ろしていた。
「ブーケを引き当てたってことは、次は美羽さんの番なのかなあ」
「そんな願望、小太郎さんにあります?」
「あるよ。なんなら僕、今すぐにでも美羽さんと結婚したいもん」
「ちょ、ちょっとー!待ってくださいよ!」
軽く冗談を投げかけたつもりなのに、ものすごく当然のように返されて私の方が慌てふためいてしまった。
「まだ!色々と!順序が!あるじゃないですか!」
「それは近々、おいおい、そろそろ」
「勝手に決めないでくれませんか!?」
「じゃあいつならいいの?」
まだ心の準備が整わない私を気長に待っていてくれる彼には申し訳ないのだが。
たくさんの手荷物は、幸せのおすそ分けみたいだ。
その手荷物を、ひょいと私の隣を歩く小太郎さんが持ってくれた。
そして、気づかれる。
「あ、美羽さんブーケ当たったの?」
「はい。ラッキーだと思いませんか?」
わざわざ迎えに来てくれるあたり、私も幸せなのだが。
「似合ってるね、オレンジのワンピース」
彼にそう言われて、思い出す。
千夏の結婚式に着ていくワンピースを、彼に選んでもらったということを。
「小太郎さんは褒め殺しタイプですか?」
気恥ずかしくなって尋ねるも、彼は意外にも首を横に振った。
「僕はお世辞は嫌いだから言わないよ。思ったことを言うタイプ」
「…そうですか」
人はそれを、甘やかしと呼びます。
しかしながら、彼は真剣な表情で白くて小さなブーケを見下ろしていた。
「ブーケを引き当てたってことは、次は美羽さんの番なのかなあ」
「そんな願望、小太郎さんにあります?」
「あるよ。なんなら僕、今すぐにでも美羽さんと結婚したいもん」
「ちょ、ちょっとー!待ってくださいよ!」
軽く冗談を投げかけたつもりなのに、ものすごく当然のように返されて私の方が慌てふためいてしまった。
「まだ!色々と!順序が!あるじゃないですか!」
「それは近々、おいおい、そろそろ」
「勝手に決めないでくれませんか!?」
「じゃあいつならいいの?」
まだ心の準備が整わない私を気長に待っていてくれる彼には申し訳ないのだが。