箱入り娘に、SPを。
老婦人は、小太郎さんに言われた通りに二つ折りの携帯電話を取り出して操作をする。
…なるほど、直接まずは本物の息子さんへ確認する。賢明な判断である。
操作している女性に、念を押すように小太郎さんが
「いいですか、今さっきかかってきた電話番号ではなく、奥様の携帯電話に昔から登録されている方の息子さんの番号にかけてみてください」
と語りかける。
すると、案の定だった。
「息子が出ました!そんな大金がほしいだなんて、連絡した覚えはないと!」
すっかり興奮したように安堵の声で携帯電話を握りしめてそう言うと、女性はへなへなとその場に座り込んだ。
「ああ、私…詐欺に遇うところだったんですね」
「僕は警視庁の三上小太郎です」
「け、警察の方!よかった!」
本日、二度目の警察手帳の出番である。
驚く老婦人に、すらすらと小太郎さんは事情の聞き取りとかかってきた不審な電話番号を教えてもらって控えると、どこかへ電話していた。
おそらく、本来なら彼が身を置くべき警視庁へ連絡を入れているのだろう。
「奥さんはここのマンションの方ですか?」
まだ座り込んでいるので、女性の手を取りながら私が顔をのぞき込むと、彼女は「はい」と答えた。
「もう安心ですね。一緒におうちに帰りましょう」
そんな老婦人に、抜かりなく小太郎さんが自分の名刺を渡しているのを見逃さなかった。
…なるほど、直接まずは本物の息子さんへ確認する。賢明な判断である。
操作している女性に、念を押すように小太郎さんが
「いいですか、今さっきかかってきた電話番号ではなく、奥様の携帯電話に昔から登録されている方の息子さんの番号にかけてみてください」
と語りかける。
すると、案の定だった。
「息子が出ました!そんな大金がほしいだなんて、連絡した覚えはないと!」
すっかり興奮したように安堵の声で携帯電話を握りしめてそう言うと、女性はへなへなとその場に座り込んだ。
「ああ、私…詐欺に遇うところだったんですね」
「僕は警視庁の三上小太郎です」
「け、警察の方!よかった!」
本日、二度目の警察手帳の出番である。
驚く老婦人に、すらすらと小太郎さんは事情の聞き取りとかかってきた不審な電話番号を教えてもらって控えると、どこかへ電話していた。
おそらく、本来なら彼が身を置くべき警視庁へ連絡を入れているのだろう。
「奥さんはここのマンションの方ですか?」
まだ座り込んでいるので、女性の手を取りながら私が顔をのぞき込むと、彼女は「はい」と答えた。
「もう安心ですね。一緒におうちに帰りましょう」
そんな老婦人に、抜かりなく小太郎さんが自分の名刺を渡しているのを見逃さなかった。