箱入り娘に、SPを。
私は手に持っていた千夏の招待状を両親に見せつけるように、よく見えるようにガバッと開いた。

「ほら!こうやって同世代はどんどん結婚していくんだよ?数年後には孫が産まれたりするわけ!お父さんたちはずーっと私をこうやって囲いこんで生きていくの?」

「囲いこむなんてそんな言い方するんじゃない」

父はふてくされたようにコーヒーをぐびっと飲むと、やや顔を傾けて目を細めた。

「俺はただ、いま目の前にいる大切な娘を守りたい。その一心でお前に警護をつけて…」

「それが迷惑だって言ってるの!」

逆に父に会えたのは、文句を言うチャンスだと前向きにとらえることにした。
ここぞとばかりに日頃の鬱憤をぶつける。

「私だって誰かの目を気にせずに自由に遊びたいの!友達や同僚と気軽に飲みに行きたいの!出かけたいの!どうしてそれを分かってくれないの?」

「どこにでも行けばいいんだって、三上くんのことは気にせずに自由にどこへでも行きなさい。美羽が危ない目に遭った時に助けてくれるっていうだけさ」

「どっちにしたって小太郎さんは私についてくるじゃない!」

「守ってもらえるありがたみ、どうして分かんないかなぁ〜」

「それは─────」


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