虚愛コレクション
気に入らないから言葉を集めた。ない頭を動かした。頭が熱くなった。
私らしくない。あるいは、私らしいともとれる。
「私を大事にしてくれてるって言うなら、浮気なんてしなきゃいいじゃないですか。私を、私だけを見て……っ!」
そこでハッとして口を手で塞いだ。
ちょっとした反論だったのに出す話題がまずかった。頭が熱くなった時点で気づくべきだった。感情的になりすぎていたのだ。
「……」
何も言えず下を向くと、見て分かるくらいに握りしめた手が震えていた。
暫しの沈黙があったが彼はただ
「ふぅん」
と、何かに納得をした。
「何……ですか?」
恐る恐る聞く私とは真逆に表情なんて一切変えず、言った。
「愛されたいんだ?」
と、酷く重い一言を。