僕の事飼いならしてよ
それにつられて、私も職員室を出る。

「あれ?」

職員室を出たのはいいが、陸君を見失った。

「……どこ?」

廊下をしばらく歩くと、音楽室の前に来た。

「陸君?」

曖昧な予感と共に、音楽室の扉を開けた。


予感的中。

陸君は、音楽室のピアノの椅子に座っていた。

「やっぱり、来た。」

立ち上がると、私の前に彼はやってきた。

「先生は、僕から離れられないよね。」

そう言って、私の首筋に、右手を添えた。


そして、唇がだんだん、近づいてきて……

私は、自然と目を閉じた。

だが、一向に陸君の唇と、重ならない。

そーっと目を開けると、陸君が目の前で、笑っていた。


「えっ……」

「なに、キスすると思った?」

いたずらな顔で、陸君は笑った。

「もう!あんな事されたら、キスするかと思うじゃない!」
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