小悪魔彼女×溺愛彼氏
駐車場に車が停まってないから
お父さんもお母さんもいないみたい。


ふうっとゆっくり息を吐いた後
インターホンを押す。


『…はい。』


斗真の声…。


「美桜だけど…。話したくて…。」


それだけ言うとぶちっと音が切れて
玄関の扉が開いた。


「斗真…。」


「とりあえず、暑いから入って。」


斗真は意外にも冷静だった。


中へ入り、お互い向き合って座る。


謝らないと…


「「ごめん…。」」


2人同時に頭を下げていた。


…はは、喧嘩してても被っちゃうんだね。


「私達…、仲いいよね。」


遠慮気味に聞くと
『あぁ』って小さく笑った。


なんか、さっきまでの
怒りはどこかへ飛んで行って
ちゃんと話せそうな気がした。
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