工業高校のイケメン達に愛されて【下】



りりかちゃんの言葉に戸惑いながらも、嬉しいって気持ちがすごく溢れてきた。


ちらりと翔くんを見上げると、あたしの手を握ったままで…顔が引きつっている。


体勢も若干引き気味なのは、気のせいじゃない。


翔くんは女の子が苦手だもんね…。


けどりりかちゃんは本当にいい子だから、あわよくば仲良くしてほしいなぁ。なんて思ったり。


でも翔くんに嫌な思いしてほしくないし、それは言わないことにする。


するとりりかちゃんはあたしの方へ向けていた体を隣の翔くんへと向き直した。



「ふふっ。相葉くん、だったよねっ?」


「あ、あぁ。」



翔くんはぎこちなくも、りりかちゃんに相槌を打つ。


…なんか、新鮮だ。


りりかちゃんは翔くんに何を言うつもりなんだろう、と首を傾げると。



「緋奈のこと、よろしくねっ!」



なんて、まるでお母さんみたいなセリフを翔くんにはなったのだった。


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