心の中に奏でる、永遠の向日葵


「ここ、日向君の腕だよね?」
 
「え?そ、そうだけど…。って、わっ!」
 

最後まで答えれないうちに、俺は向日葵に両腕を引っ張られた。
 

そしてそのまま、ピアノの椅子に座らされ、向日葵と至近距離になっていた。
 

腕が、あと二、三センチでくっつきそう。ふいに、ドキッとしてしまった。
 

ところが、向日葵はそんな俺を気にも留めずに、ニコッと笑って指を鍵盤に置いた。
 

「元気のない時こそ、ピアノを弾くに限る!」
 

ピアノを弾くって…。
 

思わず目を伏せてしまった。
 

ピアノのせいで、こんなに元気がないのに。
 

でも、向日葵はなんの事情も知らないわけだし、仕方ない。
 

「さあて、何弾く?」
 

向日葵がそんなことを聞いてくるが、
 

「何でもいいんじゃないかな…」

と、思わずやる気のない回答をしてしまった。
 

すると、向日葵がぷくっと頬を膨らませる。
 
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