君の笑顔に涙する
翌日も病院に行くと、凛が笑って迎えてくれた。
いつものように、他愛のない話をずっとしていた。
夕方になり、僕が「じゃあ、僕はそろそろ帰るね」と立ち上がると同時に部屋のドアが開く。
「おっす、凛ちゃん」
ドアから顔をだしたのは、聡だった。聡は、片手を上げ、ニッと笑う。
「聡くん! 今日も来てくれたんだ!」
嬉しそうに笑う凛の表情と言葉に、僕の心臓が大きく音を立てた。
動けない僕をじっと見つめている聡の視線に気づき、僕は恐る恐る聡に視線を動かす。
「有、おっす」
そう笑った聡に、僕は「……うん」と、酷く情けない声で返した。
僕は部屋を出て、重い足取りで病院を出た。