どこかで出会っていた人 〜 謎めいた同僚
何とか話を続けようと島田美香が言った。
「じゃあ早坂さんは出身はどちらなんですか。やはり北海道とか」
「いえ、生まれたのは東京です」
「え、そうなんだ」
「でも、まだ小さい頃からあちこちに行ってましたから。父親の仕事の都合で。主に田舎でしたね。海岸の近くとか、山の中、里山のあるところとか。そんなところで子供達と連れ立って遊びました」
そう言ったところで、早坂はふっと視線を上げた。
すると一瞬だけ、視線が亜矢と交わった。
亜矢はハッとした。
早坂は続けた。
「…里山探検と言うか、小学生の頃ですね。高学年の子供達がリーダーになって低学年の子たちを引き連れて峠とかに向かうんです。
だいたい目当てがあって、秘密の基地にしているところとか、秋だったら野生の木の実や果物です。
アケビとかが目当てになってました」
アケビ…、アケビ…
亜矢は心の底がズキンと響いた。
「じゃあ早坂さんは出身はどちらなんですか。やはり北海道とか」
「いえ、生まれたのは東京です」
「え、そうなんだ」
「でも、まだ小さい頃からあちこちに行ってましたから。父親の仕事の都合で。主に田舎でしたね。海岸の近くとか、山の中、里山のあるところとか。そんなところで子供達と連れ立って遊びました」
そう言ったところで、早坂はふっと視線を上げた。
すると一瞬だけ、視線が亜矢と交わった。
亜矢はハッとした。
早坂は続けた。
「…里山探検と言うか、小学生の頃ですね。高学年の子供達がリーダーになって低学年の子たちを引き連れて峠とかに向かうんです。
だいたい目当てがあって、秘密の基地にしているところとか、秋だったら野生の木の実や果物です。
アケビとかが目当てになってました」
アケビ…、アケビ…
亜矢は心の底がズキンと響いた。