どこかで出会っていた人 〜 謎めいた同僚
アケビ…

そんな果物のことを、小さい頃聞いたことがある。

何だっただろう…




その言葉が心の中の記憶の底に届いた時、亜矢はあっと思わず口を抑えた。

カズト…

幼馴染のカズト

そのまま同じ小学校、中学校に進み、

高校は違ったけど、

その頃から付き合いだした。

忘れることのできない彼…




いや、今はもう、元彼になってしまったカズト…




まだ恋人同士でなかった小学校の頃、

カズトがよく言ってた。

「よし、明日は山へ行くぞ」

山といっても、神奈川の緩やかな森林公園だった。

「山へ行くぞ」って。




彼が何度か言うのを聞いたことがある。

「アケビが取れる頃だ」

って…。
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