パクチーの王様 ~逸人さんがあやしい物を見ています~
「倦怠期でしょうか」
お昼の営業が終わってもまだ店に居た日向子と静に芽以は思わず、相談してしまう。
相談してまともな答えが返ってくる相手ではないとわかっているのに、してしまったところからいっても、かなり動揺しているらしい、と自分でも思いながら。
「いやいや。
それ、妊娠してるかもしれない芽以ちゃんを気づかってでしょ」
と静は言ってくれるが、日向子は、
「でも、そういう妙な遠慮から、夫婦の距離が開いてくるかもしれないわよね」
と相変わらず、遠慮会釈なく言ってくる。
恨みがましく見上げた芽以に、
「あら、私も近々結婚を控えた身として、自分も心配だからそう言ったのよ」
と日向子は言うが。
……日向子さん。
圭太と結婚する気、まだ、あったんですか、と芽以は思ってしまった。
此処のところ、静とばかり店に来ている気がしたからだ。
まあ、そもそも、この店に、日向子と圭太がそろって来たことなどないのだが。