好きだから傷付ける
美空「ごめんなさい!
私が家まで送って貰ったばっかりに...。」
雅來「いいお兄さんだな。
滝川の事、大切にしてくれてるんだな。」
美空「いっくんは親戚のお兄ちゃんだよ。
お母さんの姉の子供。
お父さんの転勤が決まって
こっちを離れる事になったから
いっくんが面倒見てくれてるんだ。」
雅來「そっか。でも何にせよ
滝川は愛されてるよ。」
愛されてる。
その言葉を口にした時
鬼藤くんは少しだけ
辛そうな表情を見せた。
...鬼藤くんはちゃんと
愛された事があったのだろうか。
雅來「さっきの話聞いたからって
別に俺に気なんて遣わなくていいから。
俺は、滝川に気遣って欲しくて
話した訳じゃない。...でも、嬉しかった。」
美空「え?」