溺愛総長様のお気に入り。


……ちがう。


あれはもしかして……。



「……煌……くん?」



あのオーラ、間違いない。


ど、どうしてここに!?


暴走族の総長がジャージを着て体育に参加……?


嘘でしょ?


クラスの授業には出ているけど、体育なんて出たことないらしい。

現に、ここには翔和さんもハクさんもいない。


くじ引きだって、彼らは参加してなかった。


なのに、なぜ?


ゆっくりと、長い足をこちらに動かしてくる煌くん。


そしてあたしの前で足を止めた。



「腹筋だろ。ほら、早く寝て」


「へっ?」



そう言って、目の前で腰を下ろす煌くん。



「早く」


「は、はいっ」



頭は混乱したまま言われるがままそこに寝転がると。


煌くんがいきなりあたしにまたがるからびっくりする。

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