溺愛総長様のお気に入り。


途中でそれに気づいて答えに詰まると、



「そういうとこだけ、いつもぬかりねえよな」



フッと笑われた。


そして、煌くんの手があたしの頬に伸びてくる。


触れられて、ドキッとする胸。



「そのうち、もういいってほど好きって言わせてやるからな」


「……っ」



胸のど真ん中にささるようなその瞳と言葉に、一瞬めまいがした。


……こうやっていつもあたしの気持ちを翻弄して。


ずるいよ、煌くん……。



「総長、お楽しみ中悪いけど、そろそろ時間じゃね?」



ハクさんが皮肉ったように言うと、煌くんがチッと舌打ちしてから腕を上げた。


それが合図になったかのように、南里くんもハクさんも翔和さんも、用意されていたバイクに向かう。


あれ?


煌くんのバイクがないみたいだけど……。

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