溺愛総長様のお気に入り。


なんでって……。


友達が殴られて助けを求めているのにそれはないんじゃない……?


けど、そんなこと言えるわけもなくあたしは口をつぐむ。


それっきり、電話の向こうは、うんともすんとも言わなくなってしまった。


どうしたらいいの……?


何か言えば、また冷たく返されるだけだろうし。


彼を説得するなんてあたしにはムリだし嫌だよ……。


そう思って倒れている男の子を見ると。



「し、死にそうだって……伝えてくださいっ……」



まるで向こうの声が聞こえているかのように、声を絞り出した。


あたしはうなずく。



「死にそうだって言ってるんですけど……」


『じゃあ死なせろよ』


「……っ!?」

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