時のなかの赤い糸


遥が着ているのは、学校のブレザーで、遥からすれば永倉たちのほうが可笑しな格好をしていると思った




ずっと、ずっと実はどこかで思っていたことが、頭にぐるぐる流れて不安を遥に襲った。




「…今って、
江戸時代だったりしますか………?」




「そうだが…?」




や、やっぱり。
遥は頬に手をあててへなへな座り込んでしまった。



「君はどうしてそんな格好をしているのだね?」



(言ってしまおうか……)



「あたし……

未来から来たんです。100年も先の未来から」




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――――――――――



「未来?!」




松原が声を上げると、一気に緊張で針積めた空気がとけた。





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