時のなかの赤い糸
着いたのは先ほどの井戸から少し離れたところにある屯所。
教科書でも読んだことがあったので、壬生浪士が暮らす場所。
大きな門をくぐると、中には大きな家があった。
沖田は遥をへやに入らせると、沖田も永倉も松原もその部屋に入った。
中には、二人の男が不思議そうに遥を見ていた。
「その方は?」
「彼女は綾野遥。
少し変わった身形をしていたので保護いたしました」
沖田さんが座りながら言って、遥は顔色をかえた。
全員が座ったなか、あたしは立ったままだった。
「…ど、どこが変わってるんですか?
私の?!」
少し息を上げた遥を見て、永倉や松原、後の他の二人も目を丸くして、沖田は笑っていた。