時のなかの赤い糸


だけど、この戦いが終われば遥がもうこの世界にいないことなんて、その場にいた一同がわかっていたことだった。




それは、永倉も遥も同じで、だけど誰もその事は口にはしなかった。



まだ、少しの期待だけど江戸幕府が続いてほしいと願っていた。




確かに、幕府の政治の行い方は間違っているかもしれない。



それでも守り続けてきたものを容易く潰していきたくなどなかったのだ。



皆が皆、同じ気持ちで強い意志を抱いていた。



だからこそ、土方なりの優しさと、これから先の未来への期待をかけての行動だった。




「お互い小指を切りあって……」


「「んなことできるかっ」」



藤堂が言うと、二人はすかさずつっこんだ



「じゃあ…いつも身に付けている物を交換して、あつーい口付けを!」




皆に見守られるなか、遥は何にしようか迷った。



「……これ。」



永倉はそんな遥の髪に触れ、止めてある赤い髪止めに触れた。



< 157 / 506 >

この作品をシェア

pagetop