時のなかの赤い糸
遥の落胆振りを見て、永倉は豪快に笑い出した。
「平助、山南さんの親戚の方だよ」
土方が冷静に答えると、ちょうど部屋の前を通った眼鏡の男の人が
「え?私ですか?」
と、言うと、土方がその人に物凄いガンを送った。
「あ…そうです。
ゆっくりしていきなさいね
遥さん」
あたしはその人が山南敬助とわかり、「はいっ」と返事した。
(また有名な人と会っちゃったι)
山南は優しく笑ってその場を離れていった。