時のなかの赤い糸
「ずるいって…これが仕事やねんもん」
遥の頬がプクッと膨れてそれを山崎が両手で叩くと膨れがなくなった。
「いたぁ」
遥は頬をスリスリ擦ると笑いだした。
「何笑ってんねん」
「何でもないですよ―」
はははっと陽気に笑う遥は完全に酔っ払っていた。
「ははは……ι」
山崎は苦笑をすると、遥のおでこを人差し指でひとおしした。
すると、遥はゴロッと畳に寝転がり、そのままスヤスヤと眠ってしまった。
「あらま…」
山崎は遥をほっぽって藤堂と酒を飲み出した。
「おーい、綾野―」
「………んー゛」
ゴロッと寝返りをうった遥が、パチッと目を開けると、永倉が目の前にいた。