時のなかの赤い糸


「永倉さん、私、もう走れませんっ」



そう言った瞬間、ザザアッと川辺の草原に転げ落ちた。



「きゃああ」



グルッと一回転して永倉の下に潜り込む。


体勢が落ち着いた時には遥は永倉に組み敷かれたような体勢になっていた。




「遥」


少し息の上がった永倉の吐息混じりの声が聞こえてドキッと胸が揺れる。



「愛してる」



目線は強く絡められ、遥は小さく頷いた。



「私も、ずっと、ずっとずっと愛してます」




触れるようなキスをすると永倉が直ぐに体を起こした。



「歩こう」

「……………はい」




永倉の手で立ち上がった遥は、パッパッと砂埃を払うと先に川原を歩き出した永倉の後を追いかけた。






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