時のなかの赤い糸


「そんなん言ってねぇだろ?!
俺はお前のこと心配して言ってやってんじゃん」



ハッと永倉は口を隠した。



「心配て…言うねぇ新八さん」



原田が永倉を冷やかすと永倉は原田をきつく睨みつけた。




「その気持ちが駄目なんだよ」



遥は永倉をキッと睨む。




「……わかったよ」




永倉は木刀を手放すとため息を吐き出した。



「でも、そのかわり
休日ぐらいはいいだろ?」



永倉以外皆が大爆笑のなか、遥は大きく頷いた。




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―――――――――


「桂の居場所がわかった」


「今日に行くのか?」




近藤と土方が話しているのは長州と関わる桂一門のこと。



桂も新撰組と同じく京都に来ていて、一番近くで動いていた。




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