~異種魔法異能力挌闘SFファンタジー~ 帝竜 -ミカドノリュウ-
 “ドラゴン”がいる部屋は今までの廊下よりも格段に広く、言うならばホール、だろうか。
 そのホールの入り口から見つからないようにドラゴンを見上げると、確かに物凄くでかい。カーキーの言ったとおり翼はなく、言うならば二本足の蜥蜴と言ったところだが、それでもこの大きさは反則だ、と麟紅は思った。ドラゴンが雄叫(おたけ)びを上げれば、その咆哮は体を芯から揺さぶり、その長く巨大な尾を振ればたちまち暴風が吹き荒れた。

「おいおい! ホントにこんなんがこの世に存在していいのか!? 思いっきり伝説級じゃねぇか!!」

「そりゃそうだ! 神話で語られるようなドラゴンは本物のドラゴン、神様なんだよ! こーゆーそこらにいるドラゴンはいわゆる魔力で進化したドラゴンだ!!」

「ホントにこのドラゴンさんを食い止めれるんですか~!?」

 泣きそうな顔で茜がカーキーに叫んだ。カーキーもさすがに顔に焦りが見えた。

「やるっきゃねぇだろ!! 東鳳院先生! できるだけすばやく回収してきてください!」

「わかりました!」

 煽烙も顔を二の腕で覆いながら頷いた。そしてホールの中を見渡すように顔を出す。

「先生危ないです!!」

「ありました! あそこです!」

 藍奈の声も聞かずに煽烙はホールの左側奥を指差した。その指し示す先には今麟紅らがいる入り口以外の出入り口が一つだけある。

「出入り口があそこしかないならあそこが当たりだな。わかった、俺と朽葉でドラゴンを右側にひきつける! その間にお前らはあそこに向かえ!! 何かあったら椿! お前がなんとかしろ! わかったか!!」

 五人は一斉に頷き、カーキーと朽葉がホールの中へ飛び込んでいった。

「さ! 私たちも行きましょう!!」

 煽烙の声を皮切りに、残りの四人も一斉に左側に飛び出した。
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