あなたの名前は忘れたけれど。
僕は真っ暗になったホーム画面の灯りを灯し、画面を操作して発信ボタンを押す。


耳に当てるとコールが鳴る。


数回鳴った後、彼女が『どしたの?』と電話に出た。


少し泣いたのか、鼻声だった。


「いや、なんとなく」

『ふふっ…変なの』

「…今度また飲みに行こうか。旨い店、予約しとくよ」

『…うん。行きたい。また相談したい事あるの』

「うん、なんでも聞くよ。愚痴でもいいよ。たのしみにしてる」

『ありがとう。いつも、ごめんね』

「なんで謝るんだよ。お前は何も悪い事してないだろ」

『…うん、…そうだね』

「あっ、今度はさ、俺の相談にもちょっと乗って貰っていい?」

『うん、私で相談相手になるなら』

「なるよ。ってか、お前じゃないとダメだから」

『えぇ〜?なにー??たのしみにしてる』

「じゃあ、また日程決めたら連絡するよ」

『うん、待ってる』
< 103 / 125 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop