キミに降る雪を、僕はすべて溶かす
洗濯機を回してる間にリビングに掃除機かけたり、終了のアラームに急かされて洗濯物を干したり。階段を忙しなく昇り降りして、バタバタと動き回る。

お風呂掃除とトイレ掃除までやっつけてリビングに戻り、壁掛け時計を見やれば、とっくに12時半を越してた。
自分の部屋の掃除は、お昼ゴハン挟んでからにしよっかな。

そう言えば、スマホも放ったらかしてた。
リビングテーブルの上に無造作に置いてたのを手に取り、なにか通知があるかと画面をチェックすると。
ニュースやメルマガに雑じって、着信が1件。ミチルさんだ・・・!
掛かってきた時間は12時過ぎ。掃除に夢中で全然気が付かなかった。

この時間だと、ミチルさんもお昼が終わったかどうかってとこだよね。
出てくれるか分からないけど、掛け直す。・・・7コール目、8コール目。
潔く切ろうとした寸前、繋がった。

「ミチルさんごめんね・・・っ。掃除してて、鳴ったの聴こえなかった!」

『僕こそごめん。急ぎの用じゃなかったんだけどね。りっちゃん不足で、声だけでもって思ったら我慢できなかったよ』

スマホを当ててる耳に、聴き慣れた柔らかい声が響く。

我慢できない、なんて言われ方に心臓がきゅっとなった。
そんな欲しがられ方は。・・・・・・どうしていいか困る。

『りっちゃんが居ないと、駄目みたいだね僕は』

いちいち告白されてるみたいで。・・・心臓がもたない。ほんとに。
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