キミに降る雪を、僕はすべて溶かす
上着を隣りのイスに引っ掛けネクタイも少し緩めた羽鳥さんが、ぷちっと鞘から枝豆を口の中に放り込み、遠慮も無く今度はあたしのプライベートに斬り込んでくる。

「志室ちゃんは、実家暮らし?」

「いえ。アパートで二人暮らしです」

「彼氏と?」

「うーんと。保護者と、です」

「保護者?」

ん?、って表情で彼が問う。
別に隠すような事情でもないから、さり気なく答えて。

「亡くなった兄の代わりに、三年前から一緒に暮らしてる人がいまして」

「そうなんだ」

「昔から知ってるし、“兄妹”みたいな感じですね」

「へぇ。じゃあ、彼氏は別にいるってわけだ?」

「いえ、いません」

「意外だな。志室ちゃん、小っちゃくて可愛いのに」

お世辞でも、歳上のイケメンさんに言われれば照れます。
ぷるぷると首を横に振ると、耳掛けのショートヘアも一緒になって揺れた。
童顔で身長も無いせいか、庇護欲を掻き立てるタイプかも知れないとは思う。ミチルさんの過保護ぶりからしても。
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