キミに降る雪を、僕はすべて溶かす
「お兄ちゃんは誰とでも仲良くなるけど、あたしのことを頼むのは、本当に信頼した人だけだから。・・・だから淳人さんは極道さんだけど、三人にはずっと友達のままでいて欲しいって、それだけなの」

あたしの拙い訴えを、黙って聴いてくれてたミチルさんは、ややあって口を開いた。

「りっちゃんの気持ちは分かってるつもりだよ。だけど淳人が裏社会の人間でいる限り、りっちゃんに近付くのは赦さない。・・・千倉は財界とも繋がりがあって、その辺の暴力団とは質が違う。隆弘が、りっちゃんに淳人のことを話さなかったのも、関わらせるリスクを知ってたからだ」

車はバイパスに乗り、対向車のヘッドライトがすれ違いざまに、ミチルさんの横顔を浮かび上がらせてく。

「・・・僕は隆弘の気持ちを無駄にしたくないし、これだけは譲れないよ」

「淳人さんとは・・・もう友達には戻れないってこと・・・?」

穏やかな口調で言い切られ、思わず口を付いて出た言葉。
前を見据えてる眼差しを、僅かに細めた彼の答えを待った。

「・・・・・・どうなんだろうね」


それは、ミチルさん自身に問いかけてるようにも聴こえた。
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