キミに降る雪を、僕はすべて溶かす
やがて電車が自分の駅に停車して、ホームに降り立つ。きっともう、ミチルさんが待ってる。
エスカレーターなんてのんびりしたモノは使わずに、階段を小刻みに駆け上がった。頂上でちょっと息切れ。あー、運動不足。
それから改札を抜けて、東口方面の階段をまた駆け下りる。と。角のフラワーショップの前に立つ、イケメンさんを発見。

「ミチルさん!」

笑顔で駆け寄る。

「お帰り、りっちゃん」

甘い笑みで迎えられて、気分ホクホクのあたしだ。

キャメル色のキルトジャンパーを、ワイシャツの上に羽織っただけの気崩した恰好なのに、顔がいい男は無条件でカッコイイ。
通りすがりのOLさんが横目でチラ見しては、こっちもガン見してく。
羨ましいだろうけど、ミチルさんはあげません。悪しからず。

「顔、ちょっと赤いね。けっこう飲んだ?」

前屈みに顔を覗き込まれて、目が泳ぐ。

「そ、んなでもないよ?」

チューハイと梅酒と、・・・あと何だっけ?

「迎えに来て良かった。こんなほろ酔いで放っといたら、りっちゃんが知らないオジサンに連れてかれるところだったよ」 

ミチルさんはクスリとすると、あたしの頭をぽんぽんと撫で、そのまま肩を抱いて歩き出した。
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