キミに降る雪を、僕はすべて溶かす
「どんな・・・?」

淳人さんの言葉をなぞって呟く。
『どういう』人なのかは、躊躇なく答えられても。彼が『どんな』境遇の人かは。何も知らない。

誰も身寄りがないあたしには、ミチルさんがどこの誰でも構わない。
あたしが知ってるミチルさんだけで、ほかには何も要らない。
純粋にそう思っていた。

「菅谷勇藏(すがや ゆうぞう)の名前を憶えておくんだな。養父だ、菅谷の」

「すがや・・・ゆうぞう」

聞いたことがあるような。・・・お兄ちゃんが言ってた、エライ先生?
記憶の端を引っ張り出そうとしても、それ以上は思い当たらない。
あたしは目を合わせたままで、淳人さんに訊ねた。

「・・・お兄ちゃんが死んだことと、関係があるんですか」

「知りたいなら一緒に来い。俺は惚れてる女に何ひとつ隠すつもりもない。リツ・・・、菅谷はお前の手には余るぞ」

見つめ返された眼差しは深く。真剣だった。
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