キミに降る雪を、僕はすべて溶かす
瞑ってた目を開け、ゆっくりと淳人さんを見た。
胸の内でゆるゆると息を逃し。口を開きかけた刹那。
繋がってる指に強く、力を籠められた。

言葉じゃないミチルさんからのメッセージを。あたしは受け取って。握り返す。

「・・・・・・・・・ミチルさん、言ってたから。あたしには、優しくて綺麗なものだけくれるって。・・・見せたくないものがあったって言うなら、それがお兄ちゃんに関係あることだったら尚更、言えずにいるミチルさんの方が
きっと辛い・・・・・・」

ああ、そうだ。
桜を見た時も、ホワイトデーの時も。ミチルさんは、何かを堪えるようにずっと。苦しそうだった。微笑みながら、・・・悲しそうだった。

あたしもどっかで気付いてた。
彼のポケットから時折り零れ落ちる、傷みの欠片。
掬って、どうにかしてあげたかった。

「今じゃなくても、いつか話してくれればいいって思うし、話してくれなかったとしても、それを責めたりはしません。・・・淳人さんがあたしの為を思って言ってくれてるのは、分かってるつもりです。ミチルさんから引き離そうとするのも、本当のことを話してないから、・・・ですか?」

「そうだ」

澱みなく言い切られる。

「お前は、自分がどんな男と結婚したのか、・・・何も分かっちゃいない」
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