キミに降る雪を、僕はすべて溶かす
「でも」

口から零れて落ちた言葉は。無意識だった。
はっとして唇を引き結ぶ。
ミチルさんの言うことなのに、淳人さんと会えないのは嫌だなんて。

だけど。
彼の顔を見ていられなくなって俯く。

言われてる意味は分かってる。意地悪で言ってるワケじゃないのも、全部あた
しを守る為だってことも。今までミチルさんがあたしにしてくれたことで、間違ったことなんて一度だってない。

だから。

『うん』て。返事しなきゃ・・・・・・。
ミチルさんの気持ちを踏みにじるような真似は出来ない。

大好きな人を悲しませたくない。
傷付けたくない。

嫌われたくない。
失いたくない。

ミチルさんがいてくれるから。
それが全てだから。

他には、ナニモ。


淳人さんの面差しが過ぎる。
思いが。かき乱れて。あたしをかき回して。
せめぎ合って、歪んで。


それでも最後、細くすがるような気持ちで弱弱しく呟いた。

「・・・・・・・・・淳人さんが、悪いわけじゃ・・・ないのに・・・?」

「・・・そうだね」

その声が耳に届いた時には。
あたしはミチルさんの腕の中にきつく抱きすくめられてた。

「・・・・・・悪いのは、きっと僕なんだろうね・・・」
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