キミに降る雪を、僕はすべて溶かす
「明日はりっちゃん、休みだよね? 僕も出張の振替で代休だから、出かけたいなら付きあうよ」

お茶をすする所作さえ優雅に見えちゃうミチルさんに、ふんわり笑まれて考え込む。

会社は、水曜日が定休日。あとは隔週で、社員は平日のどこかを一日ずつ休めることになってる。ただ事務員は吉井さんとあたしだけだから、重ならないように調整して欲しいと、最初に店長から説明を受けた。
平日休みって初めてなんだけど、まあ銀行とか市役所とか、平日しか開かない場所には行きやすいし、土日休みのミチルさんや友達とズレちゃうのだけが寂しいかなぁ。

つまり。ミチルさんの平日休みは、ものすごく貴重なわけで。

「うーんとねぇ、観たい映画もあるんだけど、服も見たいしなぁ・・・。あ、来年のカレンダーと手帳もそろそろ買わなきゃかぁ」

一人でぶつぶつ。
優先順位を決めて、どれか一つに絞ろうと更に頭を捻ってたら。

「いいよ全部。ほら、映画館のくっついたショッピングモールなら大丈夫」

あっさり言われた。
でもそうすると、せっかくの休みなのにミチルさんが朝ゆっくり出来ないだろうし。

「オジサンだからね、夜更かししたって毎朝、同じ時間に目が醒めちゃうんだよ」

まるで心を読まれたかのように、イケメンさんからクスリと返った。
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