12月の春、白い桜が降る。
結局私は、病態が良くなるまでしばらく入院する事になった。

それがいつまでかはわからない。

母は、ように私の見舞いを来ないように言った。

私は母を責めたなかった。

母が、彼のためを思って言っているのも、私が記憶が消えていくことで、

辛い思いをするのは自分たちだけでいいと考えていることが

なんとなく分かっていたからだ。

日に日に体は重くなり、一日中ベッドの上で寝ている生活では、

やれることも限られてくる。

本はもう何冊も読んだし、ドラマは20以上観た。

ようと過ごしてた日々みたいに、きらきらしていない。

何もかも、無職で、透明で、
消してしまいたい。
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