12月の春、白い桜が降る。
もう他に彼女がいても、
他に愛している人がいても、
あんな些細な会話を覚えていてくれたことが、
どうしようもなく嬉しくて、
それと同時に、ずっと他に私を愛してくれた人へ申し訳なくなって、
涙が止まらなくなった。

そのプレゼントを抱きしめたまま、私は泣きじゃくった。

大声で、学校の校門の前で、ずっと。
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