12月の春、白い桜が降る。
トイレに行きたくなって、立ち上がると、明らかに今までと格が違うくらい腰が重かった。

こういう些細なことで、死が近づいてくるのを肌で感じる。

結局、トイレから帰ってくる廊下で、私は自分の体を支えきれず、倒れてしまった。

これからはずっとベッドの中での生活に変わる。
移動の時は車椅子で、私が足を使う時は、もう無くなった。

軽やかに足が上がること、スキップができること、走ること。

当たり前だった。

よく、当たり前のことが出来るのが幸せだ、というのを聞いて、
ずっと在り来りで臭いとばかり思ってたけど、実際自分の身を呈してその言葉に納得した。
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