12月の春、白い桜が降る。
「______(よう)!」

(えっ、今、名前、呼んで___。)


彼女は膝から崩れ落ちていた。

手すりから手を離し、こっちに走ってこようとしてくれたのだろう。

でも今の彼女にはそれが出来なかった。

彼女に出来なかったのなら、僕が行くしかない。
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