12月の春、白い桜が降る。
彼女はまた、上がってすぐリビングへは向かわずに台所へ向かうと、

冷蔵庫を躊躇いもなく開き、昨日と同じようにカルピスとコップを2つ取り出して注ぎ、

一つを僕の前に置いて、ソファの上に腰を下ろした。

「ありがとうございます」

僕の家のものを勝手に漁っているのは彼女の方なのに、緊張からか僕の方がかしこまっている。

昨日の返事をすべく、心臓はずっとドキドキしっぱなしだった。

「あの、結川さんのこと、友人から聞きました。

すみません、思い出せていなくて、僕の彼女だということも忘れてしまっていて…。

それで、昨日の返事なんですけど」

彼女は強い視線を僕に送ってきている。

僕も一度深呼吸をして意志を固める。


「僕でよかったら、是非、お願いします。」
「ほんと!?」

彼女は僕の返事を聞いてから間もなく立ち上がった。
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