12月の春、白い桜が降る。
あれから二週間が経ち、
八月十七日、今日はひなたと近所のお祭りへ行くことになっていた。

ひなたは花火が大好きらしく、絶対に見たい、と珍しく我儘を言っていた。

今日の夕方は僕は康平の家で借りたDVDを観る予定だったが、

康平に事情を話すと、快くOKしてくれた。

寧ろ康平の方が喜んでいた。
人の恋愛事情を面白がっているのだろう。

今回ばかりは康平の物好きに感謝して、待ち合わせ場所であった小さな公園の入口へ向かうと、

そこには綺麗な女の人が立っていた。
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