12月の春、白い桜が降る。
そういうと、彼女はまた正面を向き、
まるで自分家かのように台所へ向かった。

僕は全く状況が掴めないまま、とりあえずリビングへ向かいダイニングテーブルの前に正座した。

彼女は冷蔵庫を勝手に開けカルピスを取り出し、また勝手に食器棚からコップを二つ取り出しカルピスを注いで僕の前に置き、

自分の分も注いでダイニングテーブルを挟んだ僕の正面のソファに座り込んだ。


この状況をどう理解したら良いのか分からず、ただカルピスを注がれたコップを眺めていると、

両膝に両肘を乗っけて両手でカルピスを持つポーズをしている彼女が口を開いた。
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