やさしくしないで ~なぜか、私。有能な上司に狙われてます~
「都、それは、直接町田さんに聞くべきじゃないかな?」
「いや。だって無駄だと思う。多分、正直に言ってくれないと思う」
「じゃあ、どうするのさ?」
「どうもしない。私が部長の相手をしなければ、きっとあの人のところに行くと思う」
「都、俺はどっちでもいいと思うよ。都が思った通りに行動すればいいさ」
「ありがとう。久保君ならそう言ってくれると思ったわ」

「大丈夫だよ。都、町田さんに任せておけば、きっとうまくやってくれるさ」
久保君が謎の笑みを浮かべたところで友香がやって来た。

「遅くなって、ごめんね。
あれ?二人とも料理食べてないの?やだ、もしかして、ランチまだ注文してないの?」
「うん、友香待ってたんだ」
「待ってたの?何だ、先に食べてればいいのに」
「友香と食べた方が美味しいだろう?」
久保君は、さっきと同じように微笑むとメニューを友香に渡した。
久保君は、さすがだなと思った。

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