やさしくしないで ~なぜか、私。有能な上司に狙われてます~
起き上がると、現実が見えた。
下着も他の衣類もみんな、脱ぎ散らかしたままフローリングの床に散らばっていた。
これは、酔って帰ったときのよくあるパターンだ。
よくやるパターンって……
課長の前で、これをやったのね。
ということは、身に着けていたのは、薄っぺらなキャミソール一枚。
ブラはおろか、他の下着も全部床に落ちている。他にはなにも身に着けていない。
そのキャミソールも、課長が指で弄んで肩から外そうとしている。
「そうやって引っ張るの、止めてください」
課長は、さっきから私の様子を見て笑っている。
せめてもの救いは、キャミソールの丈が腿の辺りまであることだ。
朝、これを着るとき、全く違うシュチュエーションを考えていたのだけれど。
止めよう。
そのことを考えると気が滅入る。