旦那様は溺愛暴君!? 偽装結婚なのに、イチャイチャしすぎです
「あー、津ヶ谷さん今日もかっこいい!素敵〜!」
「なんてたって、うちの会社の王子様だもんねぇ」
『王子様』。そう呼ばれ囲まれる彼を見ていると、ひとりの女性が彼へ声をかけた。
「津ヶ谷さん、今日は外回りないんですか?」
「うん。今日はミーティングもあるし、一日中社内だよ」
穏やかな声でそう言って、にこりと笑う彼からはキラキラとしたオーラまで見えてきてしまう。
「あっあの、よかったらお昼ご飯一緒に食べませんか?」
「あー……ごめんね。今日は後輩と約束してて。また今度誘って」
食事の誘いに対しても穏やかに断ると、彼はオフィスへ入り営業部のデスクへと向かった。
断り方も優しい。さすが王子だ。その光景を見ながら感心してしまう。
彼は津ヶ谷愁といって、私より3歳年上の先輩だ。
私と同じ第二服飾事業部で営業として働いている。
パーツひとつひとつが整った顔に、178センチのすらりとしたスタイル。
営業成績もナンバーワンで、性格も優しく温厚で紳士的。
欠点などひとつもない、パーフェクトな人だ。
それ故に、取引先からの信頼も厚い。社内でも上司、後輩、男女問わず人気者。
中でも女性からの人気はものすごく、彼が社内を歩けばいく先々で黄色い声があがるのだ。
その結果、ついたあだ名は『津ヶ谷王子』。
あれだけ完璧な人なら、王子の呼び名にも納得できちゃうよね……。
まぁ、私には涼宮くんがいるから興味ないけど。
そんなことを心の中でつぶやきながら、私も部屋に入り自分のデスクについた。