旦那様は溺愛暴君!? 偽装結婚なのに、イチャイチャしすぎです




「……で?ひとりで一本開けてこのザマ、と」


数時間後、日付が変わる少し前に帰宅した津ヶ谷さんはそう言って呆れた目を向けた。

それもそのはず。

居間のテーブルには、空になったワインボトルとグラスが転がり、ぐったりとした私が伏せていたのだから。



「うぅ……だって、おいしかったんですもん……」

「バカ。かなり度数強いやつだ。ラベルにちゃんと書いてあるぞ」



ラベルなんてまともに見ずハイペースでワインを飲み、一気に酔いが回って動けなくなってしまったところで津ヶ谷さんが帰ってきたのだった。



「今日はもう寝ろ。部屋連れていってやるから」

「ほっといてください!津ヶ谷さんには関係ないんだからー!」

「はいはい、わかったわかった」



津ヶ谷さんはなだめるように言いながら、私の隣に屈むと腕を伸ばす。

そしてお姫様抱っこで軽々と私を持ち上げると居間を出た。



「ちょっ、まって、おろしてー!」

「大人しく抱えられとけ。どうせフラフラでまともに歩けないんだから」



恥ずかしくてバタバタと暴れるけれど、細く見えてがっしりとした腕は、しっかり抱えて離さない。

しょうもない奴とか、重いとか思われてるのかな。あぁ、情けない。

だけどこうして抱き上げられて、嬉しく思う自分がいるのも確かだ。



津ヶ谷さんは二階にある私の部屋へやってくると、壁際に置かれたベッドに私をそっと降ろした。

そしてシーツをかけ寝かしつける、かと思いきや、一緒にベッドに入り、肘を曲げて手のひらで頭を支える体勢になりこちらを見た。


< 102 / 160 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop