旦那様は溺愛暴君!? 偽装結婚なのに、イチャイチャしすぎです



「そんな中、就職したこの会社で出会ったのが昼間の彼。初めて付き合った人で、すごく好きで、半年付き合って、本気で将来を考えた」



仕事で知り合った彼は、明るく優しい人だった。

社交的で友達も多い、私とは真逆な人。だからこそ惹かれたのもあるかもしれない。



見た目は軽そうで、だけどキス以上進むことができない私を焦らせることなく大切にしてくれた。その想いも嬉しかった。

だけど、それは長くは続かなかった。



「けど、ある日彼がいきなり家にきて、部屋のグッズとか見られて……正直に打ち明けたの。そしたら『ありえないだろ』『気持ち悪い』って言われて」



まだ彼には言えていなかった。本当の自分の一部。

だけど、それを目にした彼は怪訝な顔をしてみせた。



『好きって、オタクみたいな?ありえないだろ。そんな気持ち悪い趣味。無理だろ』

『そ、そうかな……』

『そうだよ。綺麗でしっかりしてて、そんな彩和だから付き合ったのに、そんなことで失望させるなよ』



そう、否定の言葉ばかりを口にして。



「『失望させるな』って言葉を聞いたときに、あぁ、やっぱり本当の私には価値がないんだって思ったんです。以来彼とも上手くいかなくなって、結局向こうが新しい彼女作ってフラれちゃいました」



壁のほうを向いたまま、過去のこと、と割り切るように笑った。


< 105 / 160 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop