旦那様は溺愛暴君!? 偽装結婚なのに、イチャイチャしすぎです
「お前が俺をいいと言ってくれたように、俺はそんな彩和がいい。彩和だから、いいんだ」
私だから、いい。
愛しい人がそう言ってくれる。受け入れてくれる。
そのことがとても嬉しくて、再びこみ上げる涙を止めることができなかった。
「好きだよ、彩和」
津ヶ谷さんは私をそっと抱き寄せると、キスをした。
それは最初のキスよりも優しい、柔らかなキス。
街の灯りがひっそりと、寄り添うふたりを照らした。
条件から始まった関係。だけど今ここに、確かな愛を感じている。
翌日。案の定というかなんというか、『私と津ヶ谷さんが飲み会を抜け出した』という話は様々な尾ひれがついた噂となって回っていた。
けれど、私と津ヶ谷さんがそれを完璧な笑顔で否定して、その噂はたちまち収束したのだった。
「あれ、桐島さん。その指輪素敵ですね」
女性社員は、そう言いながら私の左手薬指にはめられた指輪へ目を向ける。
それは、昨日津ヶ谷さんがくれた婚約指輪。
私と彼の関係を公にするわけにもいかない、けれど津ヶ谷さんから『男避けに』としっかりとはめられた指輪だ。