旦那様は溺愛暴君!? 偽装結婚なのに、イチャイチャしすぎです



「な、なんで婚姻届なんて……」

「バラされるより結婚、ってお前が選んだんだろ」



うっ……。

それはそうだけど。まさか本当に婚姻届まで用意されるとは思わなかった。



「安心しろ。会社では当分秘密にしておくし、旧姓で働けるようにしてやるからバレない。あ、週末中に自宅の荷物うちに運べよ」

「へ?荷物?」

「結婚するんだから一緒に住むに決まってるだろ」



い、一緒にって……ここで!?

津ヶ谷さんと!?



「む、無理無理無理!!一緒に住むとか絶対無理!そもそも夫婦のフリとかならともかく、本当に籍を入れるなんてっ……」

「へぇ?」



笑いながら彼が取り出したスマートフォン。

そこには、涼宮くんの動画を見ながらうたた寝する私の姿をおさめた写真が表示されている。

それだけで、『これをバラされてもいいのか』と言葉にしなくても伝わってくる。



こ、この男……!

悔しい、不服だ、けれどそれ以上なにも言えず言葉を飲み込む私に、彼はスマートフォンをしまう。


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