強気なサッカー選手の幼馴染みが、溺愛彼氏になりました
「ここだよ。」
「………和食ですか?」
「そう。日本の人がやっているお店だから、しっかりした和食が出るよ。」
竹で出来た引き戸のドアには、漢字で店の名前が書いてあった。もちろん、英語でも書いてあるけれど、漢字を見るとやはり安心してしまう。
日本人客は珍しくはないらしいけれど、それでも亭主は嬉しそうに日本語で話しかけてくれた。
いろいろな和食が少なめで出てくるので、何種類の和食を楽しめることが出来た。
「肉じゃがとか、サンマの塩焼きとか、おいしかったですー!」
「お刺身もよかったね。俺は鯖も久しぶり食べてなんか感動したよ。」
千春も塚本も、久しぶりの日本食をお腹一杯食べて満足をして、お互いに感想を伝え合う。
最後は、抹茶と和菓子も出るというので、それがくるのを待っている間、また話しをしていると、千春はお店にあったものが気になり、店員に「あれって、見せてくれますか?」とお願いすると、快く承諾してくれた。
「何をお願いしたんだい?」
「そこに置いてあったので気になって………。あ、ありがとうございます。日本の新聞があったんです。」
「えっ!?それは………。」
お店の人に受け取って、新聞の表紙を見る。
塚本が止めるのも間に合わずに、千春はその記事を見てしまった。